信州須坂 祇園祭と笠鉾
・信州須坂祇園祭
・墨坂神社(芝宮神社)
・神 輿
・笠 鉾
・笠鉾一覧表
・須坂祇園祭についての俗信
・弥栄社祭の日程・順序・コース
・参照文献


信州須坂祇園祭とは
  毎年、7月21日~7月25日の5日間にわたる須坂祇園祭の当初は須坂藩主堀家の御霊会(ごりょうえ)であった祭が時代を経て徐々に町人が経済力を持つに従い、だんだん庶民の祭りになっていった。天王おろし・天王上げに集中する出し物を各町は競って華やかな笠鉾や豪壮な屋台を作ったりあるいは他所から購入したりして、現在の祇園祭の原型が出来上がった。
墨坂神社(芝宮神社)
墨坂神社(旧称芝宮。祭神墨坂神、合殿健名方命)と須坂市小山の墨坂神社(旧称小山八幡。祭神帯中津日子命・気長足姫命・品陀和気命)の2社である。須坂の墨坂神社は、近世には芝宮(柴宮)と称していた。城下の大社として須坂藩主の祟敬があつく、正月8日恒例の社参をはじめ、しばしば藩主の社参がおこなわれた。また、藩主は「芝宮-天満宮-小山八幡」の順に順拝をおこなうこともあった。 墨坂神社の境内は、東西約85m・南北約250m、長野県北部では有数の広さを持っていて、芝宮と通称言われ知られている。北側にはほぼ横一列に、墨坂神社の社殿を中心に、養蚕神社・天神社・稲荷神社・秋葉神社・西宮神社などが南に面して並んでいる。本殿の主神は墨坂大神であり、相殿神として建御名方命が祀られている。
墨坂神社(芝宮神社)
神 輿
神輿 神輿
笠 鉾
 昔は、毎年夏になると伝染病が流行し、それは疫神(えきしん)という疫病を流行させる神様がいて、その神様がもっぱら疫病をバラまき、疫神は大変おいしい物・面白いもの・人目を引く物に集まると考えていた。だから疫神をどこかに集めたい場合は物凄く華やかな、派手な、人の目を引く美しい物などの目印をかざして、自分たちの生活圏の中をその目印をかざしてまわっていくと、そこに疫神たちが集まって来て、こうして集めた疫神を一括して焼いてしまう、流してしまう、または遠方へ送ってしまうとかして自分たちの生活圏外へやってしまい、それで疫神がいなくなると考えていた。 つまり笠鉾の巡行はお天王さんの警護であると同時に疫神を集めて歩くのが本来の目的ということになる。 普通の笠鉾は一段の上に大きな人形や花を飾ったりするものであるが、須坂の笠鉾は大変珍しい二段のもので、これは本来風流としての練り物である笠を二段笠にして、上に神座を載せ「囃されるもの」としての須坂独自の笠鉾が出来上がったのだろう、と考えられている。
笠鉾 笠鉾
※笠鉾は天王下しの7月21日以外は笠鉾会館ドリームホールに展示されています。
笠鉾一覧表
町 名
区 名
組 名
笠  鉾
備 考
名 称
年 代
第1区
  天鈿女之命 明治24年7月 名称を「おひめさん」ともいっている
2
勘右組衛門 御幣 明治15年 以前は瓢箪と芭蕉を飾った
本 上
3
源之亟組 太鼓に鶏 明治初年  
上 中
4
仁右衛門組 猿三番叟    
5
四郎右衛門組 瓢箪と芭蕉    
春 木
6
又右衛門組 降魔神剣 昭和8年 元は御幣
7
上組 無し(神楽)   以前は猩々像
北南東・横
8
下組 素戔鳴尊 明治27年 以前は小野道風
9
  千成瓢箪 江戸末期  
10
上組・下組 御幣 大正8年 元は猿太彦。灯篭5番の次に神輿が入る
常 盤
11
  無し(神楽)   笠鉾を後年作りかけたが、神社の要請で神楽にした
太 子
12
  千成瓢箪 明治3・4年  
馬 場
13
  金の御幣   笠鉾は当初新町に二組あったものを譲り受けたとのこと。元は白御幣
西
14
  無し   神輿を担ぐ
須坂祇園祭についての俗信
俗信
1.禁忌事項
・きゅうりを食べてはいけない
・この日は水浴びをしてはいけない
・農仕事をしてはいけない。
  この日までに農仕事を一区切りしてしまう。
 
2.呪術に関したもの
~お天王さんの下をくぐれば~
・風邪を引かない
・達者になる
・病気にならない
・はやり病にかからない
・頭がよくなる
弥栄社祭の日程・順序・コース
天王下し
時間 日時 7月21日
集合 AM8:00 
祭事 AM8:00
出発 AM8:30
御神輿笠鉾行列順序 太鼓-(猿太彦大神)露払い-(神楽)横町-上中町-本上町-中町-春木町-新町-立町-太子町-東横町・南横町・北横町-(御神輿)-(神楽)常盤町-馬場町- 西町-(神楽)東横町-上町-穀町

※笠鉾の先頭は毎年、上中町1番、2番は13番へ繰り下げ、その他は繰り上げ
※神楽は1年ごとに繰り下がり
巡行コース 本社-能登忠角-八十二銀行角-穀町公会堂-田中本家博物館前(小休止)-劇場通り-勝善寺前-青木新道-寿町通り(小休止)(御神輿は須坂商業高校前)-平和町-信金角-富士通F&T前-馬場町通り-秋山薬局角-銀座通り四海屋角-法然堂(休憩)-奥田神社前-須坂東高校前-浦野酒店角-昭和倉庫角-春木町角-お仮宮
天王上げ
時間 日時:7月25日
集合 PM8:00
祭事 PM8:00
出発 PM8:30
御神輿灯篭行列順序 高張-(神楽)常磐町-上町-新町-東横町・南横町・北横町-春木町-穀町-中町-(御神輿)-(神楽)横町-上中町-馬場町-西町-本上町-立町-太子町

※灯篭の先頭は、毎年上町。灯篭の2番目は、翌年最後尾になる
巡行コース お仮宮-駅前通り-信用組合角-信金角-銀座通り-八十二銀行角-芝宮通り-本社
参照文献
・日本民俗事典
・上高井郡誌歴史編
・須坂市文化財調査報告第7集
・御祭礼と中町
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